生活・社会

さんぽセルの評判。子供の参画は素晴らしいがランドセル自体の見直しを

2022年4月23日

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重いランドセルをキャリー化できる「さんぽセル」という商品が発売になりました。

小学生が発案して商品開発に参画したというのは、とても良いことだと思います。

一方で、ランドセルという存在自体をそろそろ見直してはどうか、と感じた次第です。

 

さんぽセルとは

さんぽセルは、悟空のきもちTHE LABOが発売した、ランドセルに取り付けてキャリーケースのように転がして引ける商品です(公式)。

背負う時もさんぽセルを取り付けたままでよく、転がせば背負うのに比べて体感重量が約90%軽減するとのこと。

価格は税込5,950円とそれなりにしますが、商品到着まで3か月待ちと人気です。

ゆとり教育の見直しにより教科書等が重量化し、ランドセルの重さによる健康被害(ランドセル症候群)に苦しむ子供たちが増えているということが背景にあるようです。

 

そもそもなぜランドセルなのか

ランドセルは日本で独自に進化したカバンです。

起源は明治10年代の学習院だと言われています。

学校では家柄や経済力に関わらず皆平等という方針のもと、荷物の持ち運びは軍隊の「背のう」タイプのカバンに統一されました。

ランドセルの語源は、背のうのオランダ語「ランセル」だと言われています。

明治20年の大正天皇の学習院ご入学祝いに、初代内閣総理大臣に就任したばかりの伊藤博文が献上したランドセルが現在の箱型ランドセルの原型です。

その後学習院では、素材(皮革)や色(黒)、形状や寸法などが統一され、120年前にはほぼ現在のランドセルと同様なスタイルが完成していました。

 

ランドセルがこれだけ長い間使われ続けてきたのは、たくさん荷物が入ることもありますが、なんと言っても「両手が空いて安全」ということと「(皮革もしくは合成皮革で)丈夫で長持ち」という2点が理由だろうと思われます。

ランドセルの使用は義務ではありませんし、最多価格帯が5万円前後と高級品にもかかわらず、殆んどの生徒が使用しています。

殆んどの生徒が使っていれば「子供に恥をかかせられない」という親心で買わざるを得ないですし、祖父母が入学祝いに買い与える家庭もあるでしょう。

 

ちなみに、最近はアニメの影響もあり海外への輸出も増えているそうです。

子供だけでなく大人がファッションのアイテムとして使用する例も多いとか。

日本で大人が使うのは勇気が要りそうですけどね(というか、私が持っていたら孫の持ち物を運ばされていると思われるに違いありません)。

 

そろそろランドセルを見直す時期では

さんぽセルの話題で思うのは、もうランドセルにこだわる必要はないのでは?ということです。

さんぽセルを使って転がして歩くなら、キャリーケースの形状の商品の方が頑丈のように思います。

 

ランドセルは丈夫ではあるけれど、空の状態でも1kg以上あるのが一般的です。

背負うなら軽い布製のリュックサックやショルダーバッグの方がずっと軽いですし、安いです。

重さは「ランドセル+さんぽセル」の半分程度で、値段は3分の1程度に収まります。

 

そろそろ「ランドセルが標準」を見直す時期ではないでしょうか。

親や子供の判断にゆだねると少数派がイジメの対象になったりしますので、ここは学校や教育委員会などが音頭をとって、親の経済負担の軽減や子供の健康増進に寄与してもらいたいものです。

 

子供の開発参画は素晴らしい

さんぽセルは、栃木県日光市の小学生が発案し、開発に参画した商品です。

廃校を遊び場として開放するプログラムで、雨の日に遊ぶNintendo Switchが欲しいという生徒に「では自分たちで稼いでみるのはどうだろう?」と働きかけたことがきっかけだそうです。

こういう企画は素晴らしいですね。

 

発売元の「悟空のきもちTHE LABO」といいう会社も、なかなか独創性のある面白そうな企業だとお見受けします。

日本の学校教育は、お金の稼ぎ方や資金運用のやり方については「範疇外」ですので、周りにきっかけを与える大人がいないと、知る機会がないまま成人してしまいます。

子供だけで考えろ、というのは無理がありますからね。

 

さんぽセルの評判

Twitterでのさんぽセルの評判は、まさに賛否両論です。

いくつかピックアップしてみましょう。

まずは肯定的な意見。

 

 

 

次に否定的な意見も。

 

 

 

 

さんぽセルに批判殺到し小学生が論破

さんぽセル発売のニュースに、1,000件を超す大人たちの批判コメントが殺到した模様です(PRTIMES:小学生に大人たちの批判が1000件超【悲しい発売】)。

これらの批判に対抗するため、発売元はさんぽセルを大量に配布する資金集めのクラウドファンディングを開始しました。

また子供たちは批判の数々に対して反論を展開しています。

 

批判は概ね「今まで空いていた手が塞がるので不測の事態に対応できない」「(振り回したり)予想外のことをして人やクルマと接触する危険がある」といったところのようです。

通学中は危険も多いので、余計なことをさせたくないという気持ちは理解できます。

私も子供のころパッと道に飛び出してクルマに轢かれたことがありますのでね。

でも、批判するなら「ランドセルの重さによる健康被害(ランドセル症候群)」の解決策を示さないと前に進みません。

ランドセルが軽かったら、さんぽセルは開発されなかったんですから。

「重いのが当たり前なのに最近の子供は甘ったれてる」というのはやめましょうよ、実際に健康被害が出ているのですから。

 

(でも、もしも事故がおきたら「それみたことか」とまた批判が殺到するんだろうな・・・。)

 

まとめ

ランドセルを背負う子供の姿は当たり前の風景ですが、それが健康被害に繋がっているならこのままで良いはずがありません

さんぽセルはランドセルありきの中でのひとつの答えではありますが、そもそもランドセル自体の見直しの時期が来ているのではないかと思います。

実際、布製のリュックタイプのバッグを推奨する自治体も出てきているようです。

以上、ランドセルを転がして引けるさんぽセル発売に関する話題でした。

 

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