生活・社会

褒章はどうやって決めて何がもらえる?勲章との違いも

2022年4月28日

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令和4年春の褒章受章者が発表されました。

受章者は688人と20団体です。

いつも「誰が選ばれたのかな」くらいで、褒章について何も分かっていませんでした。

 

褒章制度とは

褒章制度は国への功労や各分野での優れた行いのあった主に民間人に対して、国が与える名誉の標章です。

明治14年(1881年)に創設されました。

毎年2回、春は4月29日(昭和の日)、秋は11月3日(文化の日)に発令されます(ただし紺綬褒章は毎月1回発令)。

褒章の対象者は国籍を問いません

また個人だけでなく団体も対象です(団体の場合は褒章ではなく「褒状」)。

 

褒章の種類は

明治14年(1881年)の創設当時は「紅綬褒章」、「緑綬褒章」、「藍綬褒章」の3種でしたが、その後1918年(大正7)に「紺綬褒章」、1955年(昭和30)に「黄綬褒章」と「紫綬褒章」が増設されて、現在は6種となっています。

受章者の年齢は原則として55歳以上ですが、黄綬褒章は50歳以上、紫綬褒章には年齢制限はありません(それ以外にも例外はあります)。

 

褒章の種類 授与対象
こうじゅほうしょう
紅綬褒章
自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した方。
りょくじゅほうしょう
緑綬褒章
長年にわたり社会に奉仕する活動(ボランティア活動)に従事し、顕著な実績を挙げた方
おうじゅほうしょう
黄綬褒章
農業、商業、工業等の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する方。50歳以上が対象。
しじゅほうしょう
紫綬褒章
科学技術分野における発明・発見や、学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた方。年齢制限なし。
らんじゅほうしょう
藍綬褒章
・会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方

・国や地方公共団体から依頼されて行われる公共の事務(保護司、民生・児童委員、調停委員等の事務)に尽力した方

こんじゅほうしょう
紺綬褒章
公益のため私財を寄附した方(この紺綬褒章は毎月1回発令)

内閣府:「褒章の種類及び授与対象」より

この中で紫綬褒章に関する報道を目にすることが多いのは、学術及びスポーツ・芸術分野には著名人が多いし目立つからですね。

 

褒章はどうやって決めるのか

褒章の対象者は、以下の工程を経て決定されます。

  1. 各府省が都道府県・市町村や関係団体の推薦を選考(通常推薦)
  2. 各府省の大臣等が候補者を内閣総理大臣に推薦
  3. 内閣府賞勲局で審査
  4. 閣議決定
  5. 天皇陛下の御裁可を得て発令

なお上記の有識者による通常推薦とは別に、国民が候補者を推薦する「一般推薦」という方法もあります

 

褒章は何がもらえるのか

褒章で与えられるのは名誉のみです。

賞金や年金はありません。

日本国憲法第14条3項に「栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。 栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する」と定められています。

ちなみに、文化功労者には非課税の終身年金が支給されます。

 

褒章と勲章の違い

褒章も勲章も日本の栄典制度で国が授与する記章であることは同じですが、意味合いはやや異なります。

褒章が「特定分野の発展に多大な貢献をした人」が対象なのに対して、勲章は「広く社会や国家に長年にわたる貢献をした人」が対象となっています。

勲章は長期にわたる偉業を対象とする傾向が強く、受勲者は基本的に70歳以上が対象です(例外はあります)。

また褒章は個人だけでなく団体も対象なのに対して、勲章は個人のみが授与の対象となっています。

 

まとめ

褒章については、種類もすべては知りませんでしたし、勲章との違いも曖昧でした。

褒章によって与えられるのは名誉のみですが、発令を受けた人たちは誇らしい気持ちなことでしょう。

以上、春の褒章受章者の発表についてでした。

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