生活・社会

職場で絵文字は評価が下がるという研究結果。それは意外なのか

2022年4月11日

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職場で絵文字を使い過ぎると社内での評価が低下する、という研究結果の記事を目にしました。

イスラエルと米国の大学の研究結果だそうです。

記事は「意外な結果」のようなスタンスで書かれていたのですが、私には当然のことのように思えました。

そして、自分の常識が普通ではないのかと考え込んでしまった次第です。

 

職場で絵文字は評価が下がるという研究結果

この研究結果の記事はダイヤモンド・オンラインのこちら

「メールやオンライン会議ソフトのプロフィールに絵文字を使用する社員は、それらにテキストのみを使用する社員よりも、有能でないと認識されやすいことを示唆する結果が得られた」というものです。

え?私は少し驚き、戸惑いました。

会社で絵文字など使ったことはなく、結果には何の意外性も感じなかったからです。

私の周りでも、若者を含め仕事に絵文字を使っている人はいません。

絵文字を使っている同僚を見かけたら私にはとても違和感があるでしょうし、(有能でないと思うかどうかは微妙ですが)変り者だと思ってしまうことでしょう。

この研究者の主張する「(オフィシャルな環境で)コミュニケーションに画像を多用することは、自分の能力の低さを示す可能性があるからだ」については、「画像」が絵文字のことを指すのであれば私も同じ認識です。

研究結果が意外なものとは思いませんし、むしろ「言わずもがな」とさえ感じました。

もちろん職場のようなオフィシャルな場所でなければ、例えば自分の発言がシリアスなものと誤解されないように、(^^)のような表現をすることの効果は理解しています。

 

更に言うと、次の実験結果も当然と言えば当然のように思えました。

(前略)研修参加の際に、会社名のロゴマークがプリントされたTシャツを着て参加した人と、何らかの画像がプリントされたTシャツを着て参加した人を見比べたとしたら、どちらを有能と判断するかを質問。すると、会社名のロゴマークがプリントされたTシャツを着て参加した人との回答が多数を占めた。

「何らかの画像」を一括りに論じるのはやや乱暴だとは思いましたが、例えばアニメのキャラクターがプリントされていれば、「会社名のロゴマーク」に比べるとある種の幼稚さが感じられることにより、有能ではないと連想されてしまう可能性があることは理解できます。

 

「職場で絵文字」は「職場で画像」と同列なのか

ただしもう一つの実験の結果には賛同できず、首を傾げてしまいました。

(前略)2人の候補から1人を選択してもらった。候補者の1人はテキストベースの書類で自分のプロフィールをアピールし、別の1人は画像を用いたプロフィールでアピールした。その結果、前者のテキストベースでアピールした人の方が多く選択され、全体の62%を占めた。

書かれた実験の条件がどうにも曖昧過ぎて判断できないのです。

絵文字を使ったプロフィールだったら私も選ばないかもしれませんが、絵文字でなければ使った画像次第で何とも言えません。

むしろ「自分を有効に差別化している」と評価するかもしれない、とさえ思いました。

絵文字はフォーマルな場にはふさわしくないということは理解できますが、これが「画像」となると一概には言えないのではないか、と言うのが私の意見です。

その場に相応しい範囲の画像であれば、テキストによるアピールよりも好感を持たれる場合もあると思うのです。

実験で使われた実際の画像を見せながら説明するべきではないでしょうか。

 

そして更に頷けなかったのは、同じ研究者の以下の説明です。

視覚的なメッセージは接近を求めているサインと解釈されることが多い。そして、他の研究からは、他者への接近を求める人は、能力が高い人よりも低い人に多いという結果が報告されている。この二つの研究報告を結び付けると、画像の使用は社会的な接近願望を表し、それは自分の能力が高くないことを示すことにつながる

引っ掛かるのは「他者への接近を求める人は、能力が高い人よりも低い人に多い」という箇所です。

ここではプライベートではなく仕事の場でのことを言っているわけですから、必要な時に他者への接近ができる人は、むしろ能力が高く仕事ができる人と言えるのではないかと思いました。

この実験では「他者への接近を求める人」は自分に自信が無く他者に依存する人と同義のようですが、コミュニケーション能力の高さゆえに他者への接近を求める人もいるように思うのです。

結論の導き方が、いささか強引ではないでしょうか。

 

まとめ

絵文字は、親しみを込めるべきTPOをわきまえて使用すべきだと思います。

「職場で絵文字」は私の中ではタブーでしたので、低評価を受けかねないのは納得できました。

ただ、絵文字に限定せず広く画像を用いることが低評価に結びつくことや、他者への接近を求めることが自分の能力の低さを示すことに繋がるという見解には理解ができませんでした。

以上、「職場で絵文字」の話題についてでした。

 

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