2022年4月17日の皐月賞で、5番人気のジオグリフが見事勝利を収めました。
このことは父ドレフォンの今後の価値や種牡馬勢力図にどのような影響を与えるのか気になるところです。
種牡馬ドレフォンについて
ジオグリフの父ドレフォンは、2013年米国生まれの種牡馬です。
日本の社台グループが購入し、2017年に輸入されました。
現役時代の戦績は9戦6勝で、出走は全て米国のダート短距離レースでした。
6勝のうち、G1レースで3勝を上げています。
ドレフォン自身はダート短距離しか走っていませんが、母父のゴーストザッパーはダート中距離の活躍馬ですので、血統的には距離をこなす可能性はあります。
また父のジオポンティは芝の中距離で活躍しましたので、芝適正があってもおかしくありません。
そしてドレフォンにとって好都合なのは、日本に非常に多く存在するサンデーサイレンス系の牝馬との配合が可能なことです。
2021年にデビューしたのが初年度産駒で、その中からジオグリフが出ました。
スター種牡馬が去り戦国時代へ
日本の種牡馬界は、長くスターの座にあったディープインパクトが去りました。
そしてディープインパクトに続く位置にいたキングカメハメハとハーツクライももういません。
2022年の上位種牡馬の種付け料は以下のようになっています。
- 1,800万円 エピファネイア
- 1,500万円 ロードカナロア
- 1,200万円 キズナ、コントレイル
- 700万円 ドレフォン、サートゥルナーリア、レイデオロ、モーリス
- (以下省略)
ドレフォンは種付け料が上位5番目にあたる高額種牡馬ということになります。
ドレフォンの可能性
ドレフォン自らはダートの短距離レースしか走っていないため、輸入時の社台スタリオン関係者の「血統面から産駒が日本の芝レースで活躍する下地は十分ある」というコメントにも半信半疑なところがありました。
初年度産駒の1年間に満たない間の成績を見ると、以下の事実があります。
- ダートの方が芝よりも成績が良い。
- 距離は中距離の方が短距離よりも成績が良い。
- 初年度から皐月賞に産駒が2頭出走し、1頭が優勝した。
ここで懸念があるのは1についてです。
日本ではダートに高額賞金のレースが少ないので、種付け料が高額なドレフォンの産駒がダート馬に出易いとなると、生産者から敬遠されるかもしれません。
日本ではダート種牡馬のイメージがついてしまうと、良質な繁殖牝馬はつきにくくなります。
その結果、種付け料は下げていかざるを得なくなってしまいます。
2については、クラシック重視の日本では良い傾向です。
中距離だけでなく2,400m以上の長距離もこなせると更に日本の競馬関係者が喜ぶのですが、現時点ではデータがまだありません。
皐月賞でジオグリフに騎乗した福永騎手も、ダービーは距離が懸念材料のように言っていました。
もしもジオグリフがダービーの距離もこなしてしまうことになると、ドレフォンの評価は一気に上がる可能性があります。
従って、ドレフォンの種牡馬としての評価は、ジオグリフのダービーの結果によるところが大きいと言えそうです。
ただし種付け額が下がってくるならば、かつてのクロフネのように「芝も走るダート種牡馬」としての需要はありそうです。
まとめ
自らの戦績のせいで誤解を招いている可能性もあるドレフォン。
孝行息子ジオグリフのダービーの結果が、種牡馬としての評価を左右することになるかもしれません。
以上、皐月賞を勝ったジオグリフの父ドレフォンについてでした。