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JRA顕彰馬の基準や選び方は?今のままで意味があるのか

2022年6月8日

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2022年度のJRA顕彰馬の投票結果が発表され、当選確実とみられていたアーモンドアイが落選するという意外な結果となりました。

このJRA顕彰馬はどんな基準で選んでいるんでしょう。

調べてみると、権威のある殿堂馬がこんな選ばれ方で良いのかな?と疑問に思えてきました。

 

JRA顕彰馬とは

JRA顕彰馬とは、中央競馬の発展に特に貢献のあった競走馬の功績を讃え、後世まで顕彰していく対象馬のことです。

いわゆる「殿堂入り」というやつですね。

1984年に日本中央競馬会30周年記念事業の一環として制定されました。

顕彰馬に選ばれると、東京競馬場内のJRA競馬博物館にその肖像画、ブロンズ像、関係資料が末永く展示されます。

 

JRA顕彰馬の現在の選考基準と選び方

JRA顕彰馬の選考対象馬は、3月31日を起算日とし競走馬引退後1年以上経過し、20年以内の馬です。

実績の選考基準はありません。

完全に投票者の主観による「中央競馬の発展に特に貢献のあった競走馬」が選考対象です。

 

投票者は10年以上競馬報道に携わっている報道関係者で、「自分の名前を伏せて」1名4頭まで投票します。

得票数の当選ラインは、投票者数(2022年は202名)の4分の3(同152票)です。

 

実績の基準が無くて得票数の当選ラインが投票者数の75%というのはかなりハードルが高い印象です。

実際、2021年と2022年は2年連続で該当馬無しという結果でした。

2022年はアーモンドアイとキングカメハメハがいずれも得票率が71.3%で、当選まで8票足りませんでした。

アーモンドアイはGⅠを9勝していますし、キングカメハメハは引退が早かったので自身のGⅠ勝利は2つですがGⅠ勝利産駒を10頭以上輩出しています。

この2頭がいながら「該当なし」となると、今後いったいどんな馬が当選するのだろうと思えてしまいます。

 

JRA顕彰馬の過去の選考基準と選び方

JRA顕彰馬が制定された1984年から1999年までは、投票制ではなく顕彰馬選考委員会の審議によって選考していました。

2000年より報道関係者による投票制となり、その後2004年に「引退後20年以内」の期限が設けられたり、1人当たり2頭以内としていた投票頭数を2015年に「4頭以内」に変更したりして現在に至っています。

 

1999年まで行われていた顕彰馬選考委員会の審議においては、実績に関する選考基準が存在していました。

1999年までの選考基準

  • 原則としてGⅠ(時代により同等のレース)を3勝以上
  • 上記に準ずる競走成績で、種牡馬であればGⅠ勝ちの産駒が5頭以上、繁殖牝馬であれば2頭以上
  • その他、国際的な活躍又は記録性、話題性、大衆性において中央競馬の発展に特に貢献があった

3つ目の基準はあいまいさを残しますが、1つ目と2つ目は客観的な基準と言えます。

しかし2000年に報道関係者の投票に変わった時点で、これらの実績に関する基準は無くなりました。

 

まとめ

「実績に関する選考基準がないこと」と「無記名式の投票であること」を意外に思った方もいるのではないでしょうか。

投票者の4分の3という当選ラインを設けるなら、実績の選考基準があってしかるべきだと思います。

プロ野球の沢村賞に選考基準(①15勝以上②150奪三振以上③10完投以上④防御率2・50以下⑤200投球回以上⑥25試合登板以上⑦勝率6割以上)があるように。

そして、実績の選考基準があるなら無記名投票でもよい(基準に満たない馬の投票は無効)と思いますが、基準が無いのに無記名投票は解せません。

JRAが「殿堂入り」を権威あるものとしていくつもりならば、選考の過程も重視して欲しいものです。

以上、JRA顕彰馬の選考基準に関する話題でした。

 

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