4,630万円誤送金の話題の続報です。
町は返金を求めて交渉をしていましたが、世帯主が拒否を続けているため提訴に踏み切りました。
この世帯主は空き家バンクというものを利用して、他の場所から移住してきた人だそうです。
空き家バンクって、いったいどんな制度なのでしょうか?
誤送金4,630万円返金拒否のおさらい
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概要はこんな感じです。
- 4月8日、山口県阿武町の職員が、誤って1世帯に4,630万円を送金してしまった。
- 誤送金先の世帯主は返金の意志を示していたが、その後「別の口座に移して引き出せない」と返金拒否に転じた。
- 返金に応じなければ、町は民事訴訟を起こすことになるだろう。
- もしもお金が溶けてしまっていれば返済義務を認めない判決のおそれもある。
- 返済断念となれば刑事告訴も。いくつかの罪が該当する可能性あり。
誤送金4,630万円返金拒否のその後の展開
町長の発表によると、誤送金先の世帯主は返金手続きをするために、町の職員と共に金融機関の店先まで行ったのに引き返してしまったそうです。
その後、町は何度も要請しましたが、返金に応じることはありませんでした。
5月12日、町はその世帯主に対して、給付金の返還を求める民事訴訟を起こしました。
請求金額は、誤送金額に加えて弁護士費用などを含む、5,115万9939円です。
訴えた相手は、24歳の男性でした。
阿武町は日本海に面した農林水産業が中心の町で、1950年代には1万人を超えていた人口が3,000人にまで減少していると聞いていたこともあり、私は勝手ながら初老の人だと思い込んでいました。
この男性の氏名や住所は公表されています。
そしてこの男性は、職場を辞めて連絡がつかなくなってしまったということです。
空き家バンクとは何なのか
町に訴えられた24歳の若者は、1年半ほど前に他の自治体から移住してきたということが明らかになりました。
移住の際に利用したのが「空き家バンク」という制度です。
この「空き家バンク」は、増加する空き家を自治体主導で安く提供することで若い世代を招き入れ、地域を活性化していく施策です。
過疎化や高齢化が進む自治体を中心に広がりを見せており、自治体はホームページ等で案内するだけでなく、助成金や雇用の斡旋など、定住してくれる世帯を手厚い優遇措置で支える例もあります。
どうしても地理的に不便な土地が多いので、相応のメリットを提示しないと外部の人を集めるのは難しいことを自治体側は認識しているのです。
本件の男性も、阿武町から月15万円の補助を受けていました。
町の中心部から10キロほどのところにある一戸建ての家賃は2万5000円で、男性は萩市内に通勤しながら庭で家庭菜園を営んでいたということです。
平成27年の段階で、実は全国の市町村の約4割が空き家バンクを設置していました。
しかし当時は各自治体がバラバラに運用していたため、移住希望者が横断的に検索するプラットフォームが無いという課題があったのです。
そこで、国土交通省が「全国版空き家・空き地バンク」を構築し、公募した民間2事業者による検索サイトの運用を平成30年にスタートしました(LIFULL、アットホーム)。
これを機に平成30年からの約3年間で、参加自治体数は約1.8倍に、掲載物件数は約4倍に増加しています(国土交通省:「全国版空き家・空き地バンク」について)。
まとめ
空き家バンクで利便性の良い物件は、簡単には見つからないかもしれません。
しかし昨今のテレワークの普及も後押しして、働き盛りの世代であっても、必ずしも利便性を求めない人が相当数存在します。
安い家賃や優遇措置に魅力を感じる人は、検討してみてはいかがでしょうか。
ただしテレワークを考えるのであれば、物件のネットワーク環境のチェックは忘れずに。
以上、空き家バンク制度を使った移住の話題でした。
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