ウクライナ外務省が投稿した感謝の動画の中に、日本が含まれていませんでした。
これに対して自民党の代議士は即座に反応して、ウクライナに確認(抗議?)を入れたとのことです。
ウクライナの支援国感謝に日本含まれず
4月25日に、ウクライナ外務省は支援国への感謝の気持ちを表明しました。
公式Twitterで、ウクライナ軍総司令官の感謝の言葉と共に、動画がアップされました。
この動画では31か国の紹介と「我々の友情は我々の勝利だ」とのテロップが流れています。
紹介された31か国の中に、日本は含まれていませんでした。
焦る議員が「感謝しろ!」
これに対して、自民党の議員が即座に反応します。
自民党の山田宏議員は「ウクライナ政府が感謝している国々の中に日本がない。外務省を通して確認しています」と投稿しました。
ウクライナ政府が感謝している国々の中に日本がない。
外務省を通して確認しています。 https://t.co/hvhGuDPB5F— 山田宏 自民党参議院議員(全国比例) (@yamazogaikuzo) April 26, 2022
また、佐藤正久議員も「ウクライナ外務省の感謝ビデオに、支援国の中に日本国無し。これはダメだ。現地の日本大使館を通じてウクライナ外務省に申し入れ中」と投稿し、「今朝の自民党部会でも問題になった」とも書き込んでいました。
ウクライナ外務省の感謝ビデオに、支援国の中に日本国無し。これはダメだ。現地の日本大使館を通じてウクライナ外務省に申し入れ中。
今朝の自民党部会でも問題になった https://t.co/Nm08duO65M— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) April 26, 2022
ウクライナ政府のTwitterでは、プーチン政権を「現代のファシズム」と非難する動画で、昭和天皇の写真をヒトラー、ムッソリーニと並べたことに日本国内から抗議が殺到し、ウクライナ政府が25日までに謝罪していました。
その直後だっただけに張り切ってしまったのかもしれませんが、結果としてこれらの反応は勘違いでした。
その後、林外務大臣はウクライナ側より「日本に触れなかったのは軍事支援の文脈だったため」との説明を受けたことを明らかにしました。
ウクライナ軍総司令官の謝意でしたので、武器の支援国に対するものだったのです。
ウクライナとしては、まず第一に武器が欲しいのですからね。
ゼレンスキー大統領も、世界各国に向けて武器の供与を要請しています。
あの場面で日本がリストに入っていたら、日本が武器を供与していると誤解する人が居たかもしれません。
頑張ってるアピールが否定された焦り
今回は昭和天皇とヒトラーを並べられたことへの抗議とは全く異質であって、「感謝してると言って!」とおねだりしたわけです。
「恥ずかしいのでやめて」とのリプライに対して、山田議員は「勿論感謝を押し付けるという対応ではなく、日本も限界がある中で出来るだけ支援してきたし、これからもしていくということを伝える対応です」と返していました。
しかし、それに対して「さっきと言ってることが違う」と返り討ちに遭う始末。
確かに日本政府は、支援できる内容に制約がある中で、対応に苦労しているのだと思います。
外務省のホームページには、ウクライナ情勢に関する様々な対応が列記されています(外務省:ウクライナ情勢に関する対応)。
「日本は傍観している」と内外から言われないためにも、粛々と対応するだけではなく、頑張って国際貢献していることをアピールする必要があるのです。
林外相をポーランドへ派遣してウクライナ避難民を受け入れる決定を下したのも、その一環です。
そんな中で、ウクライナが感謝を表明した相手に日本の名が無かった・・・
「おいおい、ウクライナがあれだけ苦しんでいるのに、日本は助けてあげないのかよ」と内外から厳しい声が挙がるのはまずい、と焦ったのでしょう。
気持ちは分からないでもありませんが、「僕がんばったけど、ありがとうを言ってもらってない」と問い合わせるのはいささか幼稚に感じました。
まとめ
繰り返しますが、日本はたとえ予算的にクリアできたとしても、支援できる内容に制約があります。
派手に武器・弾薬を提供できない中で、国際貢献していることを国内外にアピールするのはなかなか難しいと思います。
しかし「感謝しろ!」のおねだりと、「おねだりしました!」の報告は、アピールの仕方がズレていたと言わざるを得ません。
以上、ウクライナの感謝の相手国に日本が含まれなかったことへの反応についてでした。