三菱重工がトラック輸送可能な超小型原発装置を開発するそうです。
2030年代に商用化するとのこと。
・・・大丈夫なのでしょうか。
いや大丈夫なのでしょう。
天下の三菱重工さんなのですから。
三菱重工の超小型原発装置
三菱重工が2030年代の商用化を目指すのは、トラックで運べる超小型原子炉です。
主な用途としては、災害地域などでの活用を見込んでいます。
小型原発は地下に埋めることができるので、事故のリスクを抑えやすいというメリットもあるようです。
三菱重工、トラック輸送できる超小型原発 30年代商用化https://t.co/nYHBJPEOGs
— 日経電子版 ビジネス (@nikkei_business) April 18, 2022
脱炭素化とダウンサイジングは時代の流れだが
IAEA(国際原子力機関)の定義によると、出力が30万kW以下の原子炉を小型原子炉と呼ぶそうです。
三菱重工の超小型原子炉は「マイクロ炉」といいまして、最大500kWとのことなですので、小型の中でもかなり小さいタイプです。
世界的な脱炭素化シフトは理解できます。
そして現在の技術では、原子力発電を抜きにして脱炭素化を実現するのは難しそうだということも、まあそうなのでしょう。
ただ、ダウンサイジングの風潮を発電に当てはめるのは、どうも納得できないのです。
もちろん発電能力が上がっているから、従来よりも発電設備を小さくできるというのはそのとおりだと思います。
しかし、小型の原子炉を散在させることで発電コストと安全性を高められる、という主張は本当なのでしょうか。
一か所で集中的に発電した方が生産効率は高くなるはずで、送電経路が長いことによるエネルギーロスなどたかが知れていると思います。
原子力ならではの心配はついてまわる
また小型化すれば安全性が高まるという主張も理解に苦しむところです。
装置を小型化して散在させると、一か所の大きな発電設備よりもセキュリティ費用は果たして安くなるのでしょうか。
最も心配なのはテロですが、小型化すればするほど略奪の危険は高まるのではないでしょうか。
飛行機に吊って落っことしたら爆弾になってしまうとか?
災害で流されたり、移動中の交通事故の危険もあるのではないかと思います。
今回の三菱重工の計画では、用途はあくまで送電が途絶えた災害地域などでの活用を想定しているようですが、その程度にしてほしいものです。
しかしそれはそれで、普段の保管に細心の注意が必要になりそうな気がします。
なんだか心配で眠れなくなってきました。
まとめ
多くの場合、ダウンサイジングすることによって用途が広がります。
しかし、こと原発については、他とは切り離して特に慎重に進めて欲しいものです。
「想定外」では許されませんので。
以上、輸送可能な超小型原発の話題でした。