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JR恵比寿駅がロシア語案内を撤去。不快とのクレーム受けて

2022年4月14日

JR恵比寿駅の改札付近にあったロシア語の案内掲示が、2022年4月上旬に撤去されていました。

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、客のクレームを受けて判断したものだそうですが、この対応には悲しい気持ちになりました。

 

JR恵比寿駅に掲示されていたロシア語案内

ロシア語の案内が掲示されていたのは、JR恵比寿駅の西口改札内側の上部です。

改札を出る乗客に、東京メトロ日比谷線改札への進行方向を日本語、英語、韓国語、ロシア語の4か国語で案内していました。

東京五輪・パラリンピックで来日する海外の乗客向けに設置したものだそうです。

日本国内で4か国語の案内を列記する場合、一般的にはロシア語ではなく中国語が書かれることが多いのではないかと思います。

ここでロシア語の案内を掲示していたのは、ロシア大使館が日比谷線の六本木駅周辺にあるため、ロシア人乗客が困らないようにというJR恵比寿駅独自の判断によるものでした。

 

JR恵比寿駅のロシア語案内はなぜ撤去されたのか

ところが、2022年4月7日にロシア語の案内のみ「調整中」の記載に差し替えられました。

J-CASTニュースの取材によると、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中「不快だ」というクレームをきっかけに複合的な事情を踏まえて決定したものだそうです。

 

ロシア語案内撤去に関するSNSの反響

このJR恵比寿駅の対応にSNSでは多くの意見が寄せられていましたが、そのほとんどが否定的なものでした。

駅にクレームを言った人よりも、それを聞き入れて撤去したことへの批判が目立ちました。

 

JR恵比寿駅の対応が悲しい理由

ロシア政府の振舞いが腹立たしいからロシア語案内を撤去しろ、というクレームを受けて、JR恵比寿駅は「それもそうだな」と思ってしまったのでしょうか。

ロシアに対する経済制裁は、ロシア政府へ打撃を与え、ロシア戦力の拡充を抑え、あわよくばロシア国民が蜂起することを狙ったものです。

しかしJR恵比寿駅のロシア語撤去は、どんな効果を期待できるのでしょうか。

日本に住むロシア人に悲しい思いをさせるだけのことであり、ロシア政府に対する何のアピールにもなりません。

太平洋戦争時の敵性語排斥を連想させるばかりか、米国における日本人の強制収容にも通ずる考えのように思いました。

 

まとめ

東京オリンピック・パラリンピック用の役割を終え、またコロナ禍で外国人が少ないからというのは、ロシア語だけ撤去した理由にはなっていません。

誰でもクレームは受けたくないですが、クレーマーを黙らせることだけを判断基準にするのは危険です。

全方位に丸く収めるのは難しいことですが、少なくとも「対応に筋が通っていること」はとても大切だと再認識しました。

以上、JR恵比寿駅のロシア語案内撤去の話題でした。

 

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